目を閉じると、急に世界が近づきすぎる感覚

目次

その夜に起きやすい感覚

電気を消して、
目を閉じた瞬間。

それまで、
ちゃんと部屋にいたはずなのに、
急に世界が近づいてくるような感覚に
包まれることがあります。

暗くなっただけ。
何も起きていない。
そう頭ではわかっているのに、
距離が縮まったような、
逃げ場がなくなったような感じがする。

まぶたの裏に、
何かが迫ってくるわけではない。
音がするわけでも、
誰かがいるわけでもない。

ただ、
空間が近い

天井が下がったような、
部屋が少し小さくなったような、
そんな曖昧な圧迫感。

目を開ければ、
何事もなかったように戻る。
でも、
閉じるとまた同じ感覚が訪れる。

眠れないというより、
目を閉じた状態に、
身体が居心地の悪さを覚えている夜。

この感覚は、
言葉にしにくいぶん、
誰にも話さず、
自分の中だけで処理されがちです。

けれど、
この「近づきすぎる感じ」も、
決して珍しいものではありません。


第1章|それは意志や努力の問題ではない

こういう夜に、
「落ち着こう」
「気にしないようにしよう」
と思えば思うほど、
感覚ははっきりしてきます。

目を閉じるだけなのに、
どうしてこんなに違和感があるのだろう。
そう考えてしまうこともあります。

でも、
この感覚は、
心の弱さや、
想像力の問題ではありません。

視界が閉じることで、
身体の感じ方が切り替わっているだけ。

目を開けているとき、
私たちは距離を、
視覚にかなり頼っています。

遠くが見える。
空間の奥行きがわかる。
出口が確認できる。

それが、
目を閉じた瞬間に消える。

そのとき、
身体は別の感覚で、
世界との距離を測り直します。

その切り替えが、
うまく馴染まない夜があっても、
不思議ではありません。

ここで起きているのは、
「怖がっている」
というより、
距離感を探している状態です。

だから、
がんばって慣れようとしなくてもいい。
早く眠ろうとしなくてもいい。

まだ、
夜の感覚に移行する途中なだけ。

第2章|内側に向けすぎた意識の話

目を閉じたときに世界が近づく感覚がある夜は、
意識が一気に内側へ向かいます。

見えない分、
身体の内側の気配や、
空間の圧を、
敏感に感じ取ろうとする。

「この感じ、変じゃないだろうか」
「大丈夫だろうか」
そんな問いが浮かぶほど、
距離はさらに縮まったように感じられます。

これは、
不安が強いからではありません。

ただ、
視覚が使えない状態で、
別の感覚が前に出てきているだけ。

でも、
その感覚を確かめようと、
意識を向け続けると、
身体は休むよりも、
感じ続ける側にとどまります。

目を閉じて、
何も考えないようにしようとするほど、
空間の近さが際立つ。

ここで起きているのは、
「考えすぎ」ではなく、
感覚の向きが、
内側に寄りすぎている状態です。


第3章|環境・感覚という別の見方

この感覚を、
すべて心の問題として扱うと、
違和感は残り続けます。

けれど、
目を閉じることで変わるのは、
心だけではありません。

光の量。
空間の認識。
身体と部屋の境目。

それらが一度に切り替わります。

暗くなると、
部屋の広さは、
実際よりも小さく感じられることがあります。

天井や壁の位置が、
見えない分、
近くにあるように感じる。

これは、
錯覚でも、
過敏さでもありません。

身体が、
見えない空間を、
別の方法で把握しようとしているだけ。

この見方をすると、
「自分の内側がおかしい」
という発想から、
少し距離を取ることができます。


第4章|正解を作らないという選択

目を閉じると落ち着く。
暗いほうが眠れる。

そういう感覚が、
一般的なものとして語られることがあります。

でも、
目を閉じることが、
すぐに安心につながらない夜もある。

それは、
間違いでも、
失敗でもありません。

夜の感覚への移行には、
その人なりの速さがあります。

すぐに切り替わる夜もあれば、
時間がかかる夜もある。

正解を一つにしないことで、
「うまくできていない自分」を
作らずに済みます。

今夜は、
目を閉じるのが落ち着かない。
それだけのこと。


今夜、何かを変えなくていい

この記事を読んで、
「そういう夜もある」
と思えたなら、
それで十分です。

今夜、
無理に目を閉じなくてもいい。
眠ろうと急がなくてもいい。
違和感があっても、
問題はありません。

目を閉じたときに、
世界が近づきすぎる感覚がある夜も、
眠れなさの、
一つの入口です。

次の記事では、
また別の感覚から、
夜の違和感を見ていきます。

今夜は、
暗さの中にいても、
それでいい夜です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次