言えなかったまま、使い続けている夜
どこか落ち着かない。
使うたびに、
小さな違和感が残る。
それでも、
「合わなかった」と
はっきり言うことができずに、
そのまま使い続けている夜があります。
せっかく選んだものだから。
時間をかけて調べたから。
お金も、気持ちも、
それなりにかけたから。
合わなかったと認めてしまうと、
すべてが無駄になってしまうような
気がしてしまう。
そんな夜は、
眠る前の時間に、
少しだけ言葉にできない重さを
残します。
第1章|それは意志や努力の問題ではない
睡眠グッズが合わなかったとき、
多くの人は、
自分のほうに原因を探します。
「使いこなせていないのかもしれない」
「慣れが足りないのかもしれない」
「もう少し我慢すれば違うはず」
そうやって、
自分を説得しながら
使い続ける。
でも、
合わないという感覚は、
努力で消せるものではありません。
眠りは、
正しく使えば報われる、
という種類のものではないからです。
合わなかったという事実は、
能力や忍耐の不足を
示しているわけではありません。
ただ、
今の感覚と
噛み合わなかった。
それだけのこともあります。
第2章|内側に向けすぎた意識の話
「合わなかった」と言えない背景には、
自分を責めてしまう
視線があります。
せっかく選んだのに。
期待していたのに。
うまくいかなかったのは、
自分の感じ方が悪いのではないか。
そう考えるほど、
違和感を感じている自分を
否定したくなってしまう。
その結果、
合わない感覚を
なかったことにしようとする。
けれど、
感覚を無視し続けると、
眠りの時間は
少しずつ窮屈になります。
内側を整えようとするほど、
違和感だけが
はっきりしてくる。
その循環は、
決して珍しいものではありません。
第3章|環境・感覚という別の見方
環境や感覚の視点に立つと、
「合わなかった」という言葉は、
責任や評価から
少し距離を取ることができます。
合う・合わないは、
優劣ではありません。
成功と失敗でもありません。
その日の身体。
その時期の感覚。
その人の生活のリズム。
それらと、
その道具が
たまたま噛み合わなかった。
そう考えると、
「合わなかった」は、
とても中立的な言葉になります。
環境の話として捉えれば、
自分を責める必要は
どこにもありません。
第4章|正解を作らないという選択
「合わなかった」と言ってしまうと、
何かを決定してしまうような
気がすることがあります。
もう使わないと決めること。
選択を間違えたと
認めてしまうこと。
そのどれもが、
少し重たく感じられる。
けれど、
「合わなかった」という言葉は、
最終的な結論である必要はありません。
それは、
今の感覚を
そのまま言葉にしただけのこと。
過去の判断を
否定するものでもありません。
正解を作らないという選択は、
白黒をつけないことでもあります。
合わなかった時期があった。
今はそう感じている。
それだけを残して、
先のことは決めなくていい。
評価を急がないことで、
眠りに向かう気持ちは、
少しだけ自由になります。
終章|今夜、何かを変えなくていい
この記事を読んだからといって、
使っているものを
手放す必要はありません。
「合わなかった」と
心の中でつぶやくだけでも、
十分です。
眠れなかった夜があっても、
それは失敗ではありません。
合わない感覚があったことも、
自然なことです。
眠りの環境は、
常に揺れながら
その人に寄り添っていきます。
固定しなくてもいいし、
完成させなくてもいい。
このサイトでは、
そうした揺れや違和感を、
そのまま言葉にしていきます。
次の記事では、
また別の角度から、
眠れない夜の感覚を
静かに見つめていきます。
今夜はただ、
そのままの状態で
目を閉じていても大丈夫です。

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